MBAの取得を検討するにあたって、「MBAを取得したら自分のビジネスやキャリアにどういった影響があるのか」という疑問をお持ちの方も多いかと思います。ここでは当校の修了生を対象に実施したアンケートの結果をもとに、MBA取得によってビジネスやキャリアへの好影響はあるのか否か、またどういった好影響があるのかについてお伝えいたします。

※本稿は2024年11~12月にかけて、当校関係者のみが参加するFacebookの交流会グループ上で行ったアンケートの結果をまとめたものです(回答者数:72名)。

回答者はすべて当校の修了生

まず今回のアンケートでは以下のようなバックグラウンドをお持ちの方々にご回答いただきました。すべての回答者が当校でMBAを取得した修了生です。当校の学生の男女比は女性36%:男性64%(参照:学生統計「MBAを学ぶのはどんな人」)ですが、今回は男性の回答者が75%ということで若干男性の比率が多いものの、年齢層やMBA取得後の経過期間についてはかなり幅広いバックグラウンドの方々よりご回答いただきました。

最大で93%の方々がキャリアへの好影響を実感

全回答者のうち、MBA取得後にキャリアに好影響があったと回答した人の割合は78%でした。MBA取得から1年未満の方々の場合、まだ好影響が出ていないという方々の比率が高かったものの、MBA取得後3年以上経過した方々に限って言えば、実に93%の方々が「好影響があった」と回答しています。取得から時間を経るにつれて、大多数のMBAホルダーにキャリアへの好影響が生まれるということが分かります。

続いて好影響の内容を問う設問(複数回答可、数字は実数)については、それぞれ全体の約1/3の方々が、「昇進した」「昇給した」「転職した」と答えられました。これらは非常に分かりやすい形でMBA取得の好影響が現れた事例と言うことができるでしょう。「起業した」という方々も複数いらっしゃいますが、割合としては全体の10%に満たないという結果になりました。

MBA取得にはビジネスやキャリアの成功に直結する好影響あり!

以下は上記の設問で「その他」の好影響があったと回答いただいた方々からいただいた、具体的な回答の一例です。転職オファーや顧客の増加、仕事の幅の広がりなど、ビジネスやキャリアの成功に直結する様々な好影響があることが分かります。また、ビジネス上の対人的なコミュニケーションにおいてもMBAが役立っていることがうかがい知れます。

MBA取得により得られたキャリアへの「その他」の好影響について(自由回答)

  • 論理思考やダイバーシティインクルージョンといった人間力が養われ、関係各社から好感を持たれるようになった。資料作成スキルも圧倒的に上がった。
  • 営業職ですが、大手企業の担当になりました。
  • 転職オファーが増えた。
  • 仕事の幅が広がった。
  • 顧客が増えた。
  • いろいろと外部からお仕事をいただきました。
  • 役員などにMBA取得したことを認知してもらえた。
  • コンサルタントをしているため、全ての仕事において、説明や戦略策定などに役に立ちました。
  • 新事業創出の観点で、これまでの経験が体系的な知識と結びつき、また、新たな知識と結びつき、実務に即、役立った。
  • 経営視点で考える癖がついた。
  • 起業マインドが高まった(起業・兼業したいと思っている)。
  • 今まで以上に体系的な視点でビジネスを考えられるようになった
  • 海外のリーダーチームと話がしやすくなった。
  • MBA取得者として一目置かれる。
  • ビジネス上の話題になるので、外部有識者との関係良好化に役立った。
  • 海外の同僚やライセンスパートナーとの仕事において、肩書きにMBAと記載することで、初対面であっても相互に専門性を確認することができ、スムーズに仕事を進める上で役立っている。
  • 特に欧米の関係者と仕事をする際に、MBAで学んだ英国式の思考、文章の書き方などが非常に役立っている。相手がどのようなコミュニケーションが理解しやすいかなど、MBAの学習を通じて学ぶことができた影響が大きい。
  • 起業した時にメガバンクの口座開設がスムーズだった。直接の影響があったか定かではないが、銀行との面談時にMBA取得とその後のキャリアについては深く質問されたため、影響があったと思われる。 日本金融政策公庫にて事業資金を借りた時も同様であった。第三者が判断するスケールとしてMBAはわかりやすい指標であったと考える。

年収が上がった方々のうち12%が「1000万円以上年収が上がった」と回答

次にもっとも気になる方が多いと思われるMBA取得による年収への影響に関する設問です。この設問には全体で67%の方々が年収が上がったと回答されておりますが、こちらもやはりMBA取得から年数を経た方々ほどより多く年収が上がったと回答しており、MBA取得から3年以上を経過した方々については93%の方々が年収が上がったと回答し、「年収が下がった」と回答された方はゼロでした。

実際の年収の上昇額についての回答は以下のグラフの通りです。「年収が上がった」と回答したうちの77%の方々が100万円を超える年収の上昇があったと回答しており、35%の方々が300万円以上、さらに12%の方々が1000万円以上の大幅な年収の上昇があったと回答しています。

転職時の年収アップにMBAの影響力は絶大

以下はキャリアにおける好影響に関する設問で「転職した」と回答された方々の年収の変化と、厚生労働省の調査による「転職者の賃金変化」を比較したグラフです。賃金を含めた労働条件が好転するイメージがある転職ですが、厚生労働者の調査では賃金が下がった人の割合が40.1%にも及ぶことが分かっています。もちろん双方では転職者の背景が大きく異なりますので単純に比較できるようなことではありませんが、転職時の賃金上昇においてMBAは絶大な影響力を発揮しうることが分かります。

年収(賃金)の変化の比較【MBA取得後の転職者vs転職者全体】

※参照:「令和2年転職者実態調査の概況」厚生労働省

また年収(賃金)の変化額(変化率)の比較においても、厚生労働省の調査では転職者の7.2%が3割以上の賃金上昇があったということですが、年収1000万円の3割が300万円であることを考えると、MBA取得後の転職者の上昇額(46%が300万円以上アップ)は高額となるケースが圧倒的に多いことが分かります。

年収(賃金)の変化額の比較【MBA取得後の転職者vs転職者全体】

※参照:「令和2年転職者実態調査の概況」厚生労働省

全体の44%がMBA取得後に新たな学びの機会を設けていると回答

続いてMBA取得後に新たな学びの機会を設けているかを質問したところ、全体の44%の方々が新たな学びの機会を求めて学習していることが分かりました。学びの内容としてもっとも多かった回答が、DBAやPhDなど、修士であるMBAのさらに上位の学位取得のための学びでした。MFAなどの他の修士学位や大学等の講座受講を含め、多くの方々が高等教育機関での学びを継続されていることが分かりました。また、行政書士や技術系/語学系など、現在、あるいは今後のビジネスやキャリアの展開を視野に、資格取得のための学習を継続されている方々もいらっしゃいました。

先進国の中でも特に社会人が学ばない国とされている日本(参照:リカレント教育とMBA)において、MBA取得者の学習意欲は非常に高いことが伺える結果となりました。

MBA取得後の新たな学びの内容(数字は実数)

MBA取得には人生を豊かにするというメリットも!

最後にMBA取得によるキャリアやビジネス以外への好影響について自由回答いただいた結果をお伝えします。ビジネスに限らずものの考え方が変わったという意見や、自分に自信が持てるようになったというような心理的なメリットを挙げる意見、そして、友人が増えて人間関係が豊かになったという意見などが数多く集まりました。MBA取得には単に学位取得やキャリアへの好影響にとどまらず、人生を豊かにする様々な好影響があることがお分かりいただける結果ではないかと思います。

MBA取得後のキャリアやビジネス以外への好影響について(自由回答)

  • ビジネスに限らずものの考え方が変わりました。
  • 今後のキャリアについて考えるきっかけとなった。また、新しい環境に挑戦していこうと思えるポジティブなマインドを持つことができるようになった。
  • 自分への自信が強化出来た。
  • やり切ったという自信を持てた事で、色々な意味でさらに前向きな発想が出来るようになった。
  • 多角的な視点で問題解決できるようになった。
  • 論文とは何か、どう書くべきかを知ることができ、こういうフォーマリティにも取り組めるのだという自信もついた。
  • 人間力が上がったことで人間関係が好転した。そして類友で良い人が集まるようになった。また、フラットに物事を考えられるようになったため視野が広がり、この世の真理にも深く向き合えるようになった。
  • MBAをあきらめずに取得した気持ちがあり、何事も前向きにとらえることができています。 途中で投げ出しそうになりましたが、最後まで学習した自信は財産です。
  • 大学講師の依頼が来るようになった。
  • 家族が一目置いてくれるようになった。
  • 多くの優秀な人々と知り合いになれたので、各方面での交流の機会が増えた。
  • 同志と言える仲間が増え、将来について語りあったり、相談できたりする友人ができた。
  • 友達が増えました!
  • 友達に褒められ称賛された。
  • 同期を含めた友達のネットワークの構築ができました。
  • 自身とは全く異なるキャリアの方と継続してお会いする機会等あり、自身の視点が広がり人生に幅ができているように思います。